<2022展示会レポート②> 全米最大のコーヒーの展示会視察レポート

成長著しいコーヒー業界において全米最大規模で、かつ世界的にも注目度の高いSpeciality Coffee Expo がボストンで行われました。以下視察の様子をお伝えします!


目次

1. Coffee Expo について

2. どんな人たちが出展、来場するのか?

3. かかる費用と申し込み方法

4. 2022年の展示会の様子

5. まとめ


1. Coffee Expo について

 30年の歴史を持つSpecialty Coffee Associationによって運営されるコーヒーに関連した商材を展示する、アメリカだけでなく世界でも最大規模の展示会です。デザインアワードや、コーヒーチャンピオンシップイベントなども目白押し。会期中には、ネットワーキングイベントやデモ、セミナー、ワークショップ、パーティーなどネットワークの構築のためにも注目度が高く来場者も多いです。
 開催地は毎回異なる場所で行われ、今年はボストンで開催となりました。ちなみに次回はオレゴンのポートランドで、東西のトレンドエリアで開催されます。

2. どんな人たちが出展、来場するのか?

 ロースターからリテーラーまで出展しており、出展している企業も買い付けを積極的に行うなど、商談が非常に活発な展示会の一つ。一般の消費者もバッジを購入すれば入場が可能です。昨年の倍以上にブース数が増え、同期間にUS coffee champion ship (バリスタ、ブリューアー、テイスター等の大会)も開催され、 exhibitor、attendeeともに世界各国から多くの関係者が集まりました。会期中は会場内はものすごい熱気で、通路を通るのもやっとというシーンもありました。


2019 年の来場のみの内訳

・9,900 Attendee-Only(来場のみ) + 4,100 Exhibitor-Attendees (出展者)= 14,000 TOTAL ATTENDEES

・6,300 アメリカ国内+ 3,600 その他海外実績

・2019 年は2018年に比べて6%の増加している。

23% Roaster Retailer / Wholesaler (世界中のコーヒー産地から出展しています)

2022年の会場の様子

18% Other

13% Barista / Café Owner

13% Allied Products & Services

10% Green Coffee Importer / Exporter

10% Grower / Producer

3% Not for Profit Agency

3% Education / Trainer

2% Technician

1% Hotel / Restaurant / Catering

 

3. かかる費用と申し込み方法

 1ブースの平均費用は $2900(約 37万円)。以下の基本ブース費用には、サイドとバックにライトグレーの布のパネル、黒のカーペットが付きます。それ以外のブース施工、装飾、ライト等は別途発注する必要がありますが、Coffee Expo は、その他の展示会に比べると比較的カジュアルで、ブースの施工も簡易的なものでも問題ない場合が多いです。

申し込みは以下の公式ページから必要情報を提出。その後担当者から申し込みの詳細が送られてきます。
https://coffeeexpo.org/contact-us
母体団体であるSCA Specialty Coffee Association の会員になると、ブースの費用やバッジ費用などで優遇がありますので、通常はSCA 会員になり、年会費を支払いCoffee Expo への出展申し込みをする流れが一般的です。
https://sca.coffee/membership/become-a-member

 展示会出展を成功に導く要因の中で、ブースのロケーションがあります。大きいブースを申し込めばそれだけ主催者との、ブース位置の交渉に有利になりますが、Coffee Expo は会期中に、現在の出展社から優先的に申し込みを受け付け、その場でブースをアサインする方法をとっているため、初回出展時はなるべく早い時期に申し込みを行い、主催者へのプレゼン、ロケーション交渉を開始したほうがベターです。

4. 2022年の展示会の様子

 去年コロナ後初めて、ニューオリンズで行われた同展示会にも視察にいきました。その際もコロナ後とはいえ、比較的賑わいを見せていましたが、まだ海外からの渡航制限などがある中での開催となり、以前のような盛り上がりには欠けていました。今年もまだまだ同様かな、と思いましたが、実際は前述の通り、大変な賑わい。大小規模かかわらず多くの出展社と来場者。かなりカジュアルな展示会で、その分盛り上がりもすごいものでした。

以下特に盛況だったブースをいくつかご紹介します。

お洒落なコーヒー関連プロダクトを展開するFellow https://fellowproducts.com/  と自宅で使えるロースターAillio https://aillio.com/ 

日本のブランドHARIO は北米のコーヒー業界でも注目度は高い。最近はブランディングを大きく変更し、トレンド感と統一感を持ったマーケティング戦略を展開している。https://www.hario-usa.com/ 

ARのを使ったappの開発、PKGを起点とし、appを活用した生産者・コーヒーの淹れ方の情報・販売までのルートを描くようなサービスをテスト的に開発中。他の競合企業と比較すると、ブースの注目度(目立ち度)、集客率は高い。 https://savorlive.com/

そのほかにも、色やトレンド感で目を引くブースが多数。

世界中のコーヒー豆企業も出展。

ロースター機器メーカーも。

 

5. まとめ

 社会的にも、消費者のマインドとしても、環境配慮への意識は年々高まっており、biodegradable素材〇〇%使用の数字表記や、どのくらいの期間をかけて分解されるか?などの情報を明記する企業が増えたように感じました。R&D(研究開発)の知見を示し、科学的な立証を強みとする傾向も高まているといえるでしょう。(これまでのように、環境配慮型/生分解性素材などのワードだけでは差別性が保てない。)
 商品化する過程で関わった環境関連のスコアを算出・トラッキングし提供するサービスなど、ハードのプロダクトだけでなく、テクノロジーを活用したソフトのサービスを展開する主催者が増えたというのも一つの傾向といえるでしょう。


 Coffee Expo はコーヒー業界において、間違いなく世界で最も影響力と注目度の高い展示会です。弊社の前身であるMira Design社が4年前に出展した際も、アメリカだけでなく南米、アジア、ヨーロッパと世界中のバイヤー、そしてスターバックスtchibo (ドイツの最大手コーヒーショップ)、Tim Hortons(カナダの最大手コーヒーショップ)、Nestle などの世界中の有力バイヤーとのコネクションも面白いほどに作ることができました。渡航や活動規制をほぼ解除しつつある今年の来場者は、去年と比較にならないもので、今後も成長する業界における注目展示会として出展を検討していきたいと思います!

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