<最新トレンド⑤> 消費者と直接つながる、Eメールマーケティング 前編
アメリカの最新デジタルマーケティング戦略の一つ、Email を使ったニュースレター配信のトレンドを前編で、そして具体的な運用方法を後編で解説します。
前編目次
1. Eメールマーケティングとは
2. 人気ブランドのEメールから見るポイント
1. Eメールマーケティングとは
Eメールマーケティングとは、SNSなどのプラットフォーム上で不特定多数の人に情報を発信するのではなく、Eメールというツールを使い、一人ひとりに対してダイレクトに情報を伝える方法を言います。80%以上の人が毎日一度はメールをチェックするアメリカでは最もコストに対するリターンが大きいマーケティング手法の一つとされています。
今回は、アメリカのEメールマーケティングの概要から、人気ブランドのEメールから見るポイントやトレンド、そして具体的にどのようなソフトやサービスを使ってEメールマーケティングを実践していくのかを解説していきます。まずEメールマーケティングの効果の目的は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
①プロモーション
②ブランド認知、コミュニティー作り
③顧客との関係構築、強化
ターゲットに送付されるEメールは、情報価値があり、バイヤー一人ひとりの購買行動のニーズや目的に合っていることで最大限の効果を発揮していきます。上記一つ目のプロモーションは、Eメールマーケティングで最も効果を発揮しているものですが、セールや、新製品発売、セミナー案内などターゲットに対して購買や申し込みなど、最終目的につながる直接的な行動を促すものになります。したがって、クーポンコードをわかりやすく、セール品へのリンクを明確にしたりするなど、最終アクションへの導線はシンプルにわかりやすい必要があります。
二つ目のコミュニティー作りは、ニュースや小ネタなどを自社商品やブランドに間接的に関連した内容の情報を発信します。ターゲットが求めているような価値のある内容の情報を発信することで、直接的な行動につながらなくても、ブランドへのロイヤリティーを作り出すことができます。
三つ目の顧客との関係構築、強化については、オーダー後のフォローアップや、買い物かごに入れたまま購買完結していないターゲットへのリマインダなど、一人ひとりの消費者に対して、細やかにフォローアップしていく役割を持ちます。先の二つはブラスト型(一気にたくさんの宛先に配信する)で、こちらはパーソナライズ型(一人ひとりによって違う内容を配信)で、あとで説明するアプリやツールを活用することで可能になります。異なるニーズにこたえていくことで、パーソナルな結びつきを創出でき、顧客との関係構築につながります。
2. 人気ブランドのEメールから見るポイント
ポイント1:わかりやすくシンプルなデザインで、アクションを起こしやすい
ビジネス系のメールでなければアメリカのEメールはかなりシンプルで文章が少ないものがほとんどです。まず件名をシンプルにかつ、開きたくなる内容に工夫し、開いてすぐにWebページへリンクさせるような作りになっています。
ポイント2:パーソナライゼーションされた内容
オンラインでの個人の行動をある程度トラックすることができるので、閲覧履歴に合ったお勧め商品をいくつかピックアップしたフォローアップメールや、過去の購買金額に合わせた特別オファーやイベント案内など、「自分だけ」のサービスをEメールを通じて提供することで、顧客満足度の向上につなげることができます。
ポイント3:情報として価値のある内容にする
商品やオファーを配信するだけでなく、ターゲットが興味を持っている内容についての有益な情報をコンテンツとして配信することも重要な役割になります。すぐに売り上げにつながらなくても、ターゲットのブランドロイヤリティ向上に役に立ちます。
ポイント4:ブランドにマッチしたイベントを定期的に行う
アメリカの消費者はイベントが大好き。クリスマスやサンクスギビング(感謝祭)、ハロウィンといった大きなイベントだけでなく、World Environment Day (6月5日)、Black History Month(2月)、Men’s Health Month(6月)など、一年のうちに多くのイベントやホリデーがあります。ブランドや商品のコンセプトに合ったイベントがある場合、それに合わせてセールイベントを配信したりすることで、認知や売上の向上につなげることができます。
いかがでしたでしょうか?Eメールマーケティングにおける、各社のコンテンツの質の高さからもこれらがマーケティング戦略において重要な役割を担っていることがお分かりいただけると思います。
後編では、具体的にどのようにEメールを作っていくのか、運用におけるポイントを説明していきます。* 約2週間後に更新予定です。