2024年アメリカのペット市場とSuper Zoo展示会視察レポート

先週ラスベガスで開催されたSuper Zooに出展してきましたので、今回は展示会の様子と、盛り上がるアメリカのペット市場についてまとめたいと思います。

目次

  1. Super Zoo について

  2. アメリカのペット市場の規模と成長予測

  3. Z世代とミレニアル世代のペットケア傾向

  4. ブランド力とブースデザインの重要性

  5. まとめ

1.Super Zoo について

Super Zoo https://www.superzoo.org/ は毎年一度、8月にラスベガスで行われる、ペット業界に携わる企業やプロフェッショナルが一堂に会する、BtoB向けの展示会です。ペット用品、ペットフード、ペットケア製品など、幅広い商品が展示され、特に小売業者、ディストリビューター、バイヤー、ペットトレーナー、グルーマーなど、業界の専門家を対象としています。今回の展示会には約20,000人以上の業界関係者が来場し、1,120社以上の企業が最新の製品やサービスを紹介しました。
 BOUS社も毎年出展を行っていますが、年々盛り上がりは加速しており、出展社、来場者の規模も大きくなっていると実感しています。


2.  アメリカのペット市場の規模と成長予測

アメリカのペット市場は、ここ数年で急速に拡大しています。2023年の時点で、アメリカのペット市場の規模は約1368億ドルに達しており、今後も成長が見込まれています。特に、ペットフードやペットケア製品の需要が引き続き高まり、2027年までに市場規模は約1500億ドルを超えると予測されています。

さらに、アメリカの63%の家庭がペットを飼っており、これは約1.8億人の成人消費者がペットを所有していることを意味します。この数字は、日本の総人口である約1.2億人の約1.5倍に相当します。このように巨大な市場規模が、アメリカのペット産業の成長を強力に支えています。


3. Z世代とミレニアル世代のペットケア傾向

 特に注目すべきは、Z世代とミレニアル世代が、上の世代と比べてペットの健康ケアに対して非常に積極的である点です。これらの世代は、ペットを頻繁に動物病院に連れて行き、ペットの健康、長寿のためにさまざまなサービスを受ける傾向があります。また、ペット保険関連のサービスも拡大しており、ペットの健康管理における獣医師のアドバイスや、サイエンスに基づいた情報を重視する姿勢が強まっています。

 展示会における主な出展カテゴリーはフードが圧倒的ですが、近年この傾向に伴い、ペットの健康や衛生に関連する高価格帯の商品や、テクノロジーを活用した高機能な商品への需要がますます拡大しています。たとえば、ペットの健康状態をリアルタイムでモニタリングできるスマート家電や、最先端の医療機器を取り入れた製品などが注目を集めています。これらの商品は、ペットオーナーがペットの健康と幸福を維持するために、より高度で質の高いケアを求めるニーズに応えるものです。

CBDを使った商品の市場も成長傾向にある。

4. ブランド力とブースデザインの重要性

 Super Zooをはじめペット市場において、ブランディングの重要性がますます高まっています。ペットは自ら製品を評価することができないため、特にBtoB市場においては、店頭での販売促進力がブランド力に依存しています。そのため、大手企業はブースデザインに非常に力を入れており、ブランドの認知度や信頼性を強調するために数千万円規模の施工費用をかけた大規模なブースを展開していました。

今年の展示会で特に目立ったのは、日本の大手ペットフード企業の出展です。例えば、いなばやユニ・チャームは、昨年よりもさらにブースの規模を拡大し、施工もアップグレードしていました。彼らのブースは、訪問者が製品を体験できるインタラクティブなエリアを設け、ブランドの魅力を直感的に伝える工夫がなされていました。

5. まとめ

 2024年のSuper Zooでは、ペットの家族化の進展に伴い、製品の多様化とブランディングの強化が一層進んでいることを再認識しました。各企業が市場での競争力を高めるため、ペットの健康と幸福を追求する製品を次々と開発し、その魅力を最大限に引き出すブースデザインに注力しています。特にZ世代やミレニアル世代のペットオーナーは、ペットの健康に対して非常に意識が高く、健康や衛生に関連する高価格帯の商品や高機能商品への需要が今後も拡大していくと予想されます。アメリカのペット市場は今後も成長を続け、2027年には1500億ドルを超えると予想されており、約1.8億人のペットオーナーがこの市場を支える巨大な消費者層となっています。ペット業界の未来に大きな期待が寄せられています。

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