YOSEKA  Stationery Fest 2024 / YOSEKA  文房具展 レポート

先日、ニューヨークで開催されたYOSEKA  Stationery Fest 2024に参加しました。このイベントは、アメリカの文房具マニアにとっての夢のような場所で、国内外からの文房具ブランドが集まり、さまざまなワークショップや展示、商品販売が行われました。今回はイベントの様子、アメリカでの日本の文具の人気、そしてパンデミック後にジャーナルや紙の文具が再注目されている理由についてお話したいと思います。


目次

1.  YOSEKA  Fest の魅力

2.  アメリカでの日本の文房具人気

3.  コロナ後のジャーナルブーム

4. まとめ


  1.  YOSEKA  Fest の魅力

YOSEKA Stationery Festは、ブルックリンにある人気の文具店 YOSEKA Stationery が開催したDtoC 向けの文具展で、今回はじめてYOSEKA が取引のあるベンダーへ声掛けを行い、実施されました。事前販売$20の入場券 6000枚は開催日の一か月前には完売する人気ぶり。三日間開催されましたが、天気の悪い中、入場には長蛇の列ができていました。各ブースでは、日本の文房具を中心とした商品が多数展示され、特に万年筆やステーショナリー関連の商品が人気を集めていました。参加者はステッカーや万年筆、ガラスペンなどの購入を楽しんだり、ワークショップで自分だけのオリジナル文具を作る体験ができました。特に目を引いたのは、エステルブルックの万年筆ブースや、ロバートオスターのインク展示です。さまざまな色のインクやカスタマイズ可能な万年筆が展示され、文具好きたちを魅了していました。また、MujiやTraveler’s Companyといった日本を代表するブランドも参加しており、さまざまな商品が試せる機会が提供されていました。


2. アメリカでの日本の文房具人気

アメリカで日本の文房具が特に人気を集めている理由の一つは、その品質とデザイン性です。日本の文房具は、細部まで丁寧に作り込まれており、特に「使いやすさ」と「美しさ」のバランスが絶妙です。万年筆やインクマスキングテープノートなどが特に人気です。

中でも、日本のノートは、Tomoe River紙などの高品質な紙を使用しており、万年筆で書いたときの滑らかな書き心地が万年筆愛好者に支持されています。また、Hobonichi手帳のような手帳は、柔軟にカスタマイズできる点がアメリカでも広く評価され、一部熱狂的なマニアもいるほどです。以下はロサンゼルスで行われた2025年の新作発表会の様子を一ファンがレポートしている様子。


さらに、クリエイティビティを刺激するデザインや、日本的でかわいらしいキャラクターデザインのステッカーマスキングテープも日本の文房具の魅力の一つです。これらの商品は、ジャーナリングやクラフトに使われることが多く、特に若年層やアートを愛する人々に広く支持されています。

japan kawaii stationery で検索して出てくるページ。パステルカラーでかキャラクターがあり、ミニサイズななどのアイテムが多い。


3. コロナ後のジャーナルブーム

パンデミック以降、アメリカではジャーナリングや手書きの文具が再び注目を集めています。リモートワークや自宅で過ごす時間が増え、デジタルデバイスから離れて自分自身と向き合う時間を作り出す手段として、手書きの日記やジャーナルが見直されています。これにより、アナログなツールであるノートや手帳、万年筆などが再び人気を集めています。紙の文具を使うことで、心を落ち着かせ、思考を整理することができるため、精神的なリフレッシュ効果があるとされています。私も展示会で何人かのお客さんとお話しましたが、そのほとんどが仕事としてはプログラマーやシステム関連のデジタルに関わる仕事をしていて、息抜きのために自分と静かに向き合うことができるジャーナルや、アナログの文具に惹かれているという話をされていました。また、ジャーナルを書くことで日々の出来事を記録し、自己啓発や感情の整理を行うことができるため、多くの人が再び手帳やノートを手に取るようになっています。

journaling trendとTikTokで検索してくるとたくさんの動画が出てくる。再生回数も多く、多様で、クリエイティブ性が高い。

4. まとめ

YOSEKA  Stationery Festは、日本の文房具がアメリカでどれだけ愛されているかを実感できるイベントでした。特に高品質な万年筆やノート、日本らしい細やかな機能性やデザインなど、使う人のクリエイティビティを刺激する商品が注目を集めており、コロナ後に広がったジャーナリングブームもその背景にあることを実感することができました。文房具を通じて自分自身を表現し、日々の記録を大切にする文化が、ますます広がっていくことを期待しています。

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