<現地レポート②>ワクチン浸透後、現在のロスの様子
6月15日、カリフォルニア州でCOVID-19に関する規制が緩和されました。
2020年の幕開けと同時に世界的にパンデミックとなり、生活や経済にも大きく変化を与えた新型ウィルスも、遂にワクチンが開発され、アメリカ国内では積極的に接種する人々の姿が見られます。今現在接種可能なワクチンは、モデルナ、ファイザー、ジョンソンエンドジョンソンの3つで、費用は無料である上に、病院に限らず、チェーン店の薬局でも実施されているので、気軽にワクチンを接種することができます。
パンデミック禍におけるカリフォルニア州ロサンゼルス市は、外出自粛や行動規制によるストレスから人々が暴動を起こし、多くの店に木板が付けられていましたが、昨年のアメリカ大統領選挙が終了後、店も木板を撤去し通常通りの街並みへと変化しました。しかし、一方で小売店や飲食店等は、通常営業ができる状況ではありませんでした。日々増えていく感染者の数に、市民も気が抜けません。ここで、主に小売店、飲食店、公共施設で行われていた対策と今現在との比較について紹介します。
ロスの小売店の今
まずは小売店についてです。
① 入店できる人数を制限
入り口には店員が待機しており、入店できる人数を常に管理していました。そのため、店の外にはたくさんの人が並んでいる姿が見られ、店の中に入ることも一苦労でした。今現在は、人数制限はなくなり、自由に入店することが可能です。
② 入店する前に検温・アルコール消毒が必須
自分の番が来て、いざ入店!しかし、入店するには店員による検温が必要でした。また、検温後には店員からアルコール消毒液を渡されるので、手指の消毒が必要でした。今現在は、店員による検温・アルコール消毒はなく、入店が可能となりました。
③ 使用済みカート・カゴの消毒
|買い物が終わった後店を出ると、店員が待機しており、使用済みのカート・カゴのアルコール消毒を行っていました。なお、使用前については、店の入り口に必ずアルコール消毒液とアルコール消毒シートが設置してありますので、多くの利用者が積極的に消毒している姿が見られました。
④ マスク着用
一番重要とされているのがマスクの着用です。入店する際は必ずマスクの着用を求められます。店の入り口や至るところにマスク着用の看板が設置してあります。ただし、6月15日以降、ワクチンを接種済みの人はマスクの着用は義務ではありません。
またその他の対策として、衣料品店では試着室の利用が禁止されていました。
2. ロスの飲食店の今
次に飲食店の対策及び現在の状況について紹介します。
① QRコードの活用
メニュー表が撤廃され、Q Rコードを読み取ってメニューを閲覧する店が増加しました。今現在はまだQ Rコードでメニューを提示している店と、従来のメニュー表を活用している店と、さまざまです。
② アウトドア席
店内での飲食ができない店が多くあり、店の外に席を設け、店外での飲食がニューノーマルとなりました。また、入店できる人数にも制限があったため、人気がある店舗には長蛇の列が見受けられました。現在は、人数制限も緩和され、店内での飲食もできるようになり、アウトドア席も撤去されつつあります。
③ 入店する前に検温・アルコール消毒が必須
これに関しては、小売店入店の際と同様の対策です。入店前には店員による検温とアルコール消毒が必要でしたが今現在は検温もアルコール消毒もなく入店可能となりました。
④ マスク着用
これも、小売店が行っていた対策と同じで、入店には必ずマスクが必要でした。6月15日以降、ワクチンを接種済みの人はマスクの着用が義務付けられていないため、マスクなしでも入店できると言われていますが、ワクチン接種済みでも店によってはマスクがなければ入店できないところがあるので、注意が必要です。
なお、6月15日以降飲食店では人数制限を設けることなく通常営業することが発表されましたが、店によっては今もなお人数制限が行われているところもあります。
3. ロスの公共施設の今
それでは、公共施設はどうでしょう。公共施設(例:ゲームセンター、映画館、博物館、美術館等)については、一時閉鎖されている施設がほとんどでした。今現在は通常営業が開始し、多くの人々が公共施設を訪れています。また、バスや電車等の公共交通機関においては、規制が緩和され多くの人が利用していますが、個々人が対策に取り組んでいる姿が見られます。メトロはこれまで2箇所ある出入り口のうち運転手席側のドアからの乗降車ができず、さらにはロープで仕切られていました。今現在はその仕切りも取れ、通常通り運転手席側にあるドアも利用可となりました。なお、マスクが常備してあるため、マスクがない乗客も安心して乗車できます。コロナ禍においては、メトロを無料で利用できていましたが、今現在は有料に戻りました。
さて、6月15日以降規制が緩和されたことで、ようやく普通の生活が取り戻せたかと思われましたが、さっそく新たな問題も発生しています。それは、ワクチンを接種済みの人々と接種していない人々の間での対立です。カリフォルニア州でも新たな規制が設けられ、全ての人が普通の生活を取り戻せたというわけでもなさそうです。その新たな規制の例として、10,000人以上が参加する屋外ライブイベントにおいて、ワクチン接種済み且つ陰性の検査結果の検証を実施することが推奨されています。屋外イベントにおいては、予防接種を受けていない人でもマスクを着用すれば入場できますが、一方で、屋内イベントにおいてはワクチン未接種で、COVID-19の検査結果が陰性だと証明ができない人は入場できません。この新しい規制は10月1日まで、会議やコンサート、スポーツイベントなどに適応される見込みです。カリフォルニア州公衆衛生局は9月1日に状況を再度評価し、規制の期間を延長するかどうか判断するとのことでした。
今回はカリフォルニア州での新型ウイルスによる状況の変化についてお伝えしました。まだ街中ではマスクを着用している人が多く見られますが、ワクチンの接種率が増加すれば、マスクを着用する人の数も次第に減少するのではないでしょうか。いち早くパンデミック前の生活が戻るよう、今後も引き続き個々人の対策が必要です。
by インターン Eri