<最新トレンド①>アメリカ市場とサステナビリティ
目次
1. サステイナビリティとは?
2. アメリカで見つけたサステイナブルな商品たち
3. サスティナビリティはどのようにビジネスと関連するのか?
4. アメリカ企業が実際に行ったサスティナブルを意識した事例
日本でも特に最近よく耳にするようになった”サステイナビリティ“という単語。アメリカでは多くの人々、企業が強く意識をしています。日本語では”持続可能性”という意味を持つSustainabilityですが実際どのようなものなのか、どのようにして社会や生活の中に関わっているのか。また、アメリカでは昨今サスティナビリティを意識した経営を消費者より、強く求められています。そのため日本企業がアメリカ進出をする際に、重要となってくる基本的な概要やどのように企業をアジャストすることが大切かをご紹介いたします。
サステイナビリティとは?
サステイナビリティの語源はSustain =支える、持ち堪える、維持するという意味を持ち、Sustain+able(できる)=支えられる、持ち堪えられる、維持できるものをSustainabilityと言い、あるものを一定の段階で保つことを指します。では、日常で耳にするサステイナビリティが何を維持しているかというと、大きく分けて”環境”, “社会”, “経済”の3本柱に分かれています。
”環境の持続性”では世界的にも問題になっているGlobal Warming地球温暖化の引き金となっている温室効果ガスや森林伐採、海洋汚染、といったトピックスが重要視されています。地球上の天然資源が我々人間に消費されたとしても、自然の力で補うことができる状態を”環境の持続性”と指します。
次に”経済的持続性”では貧困、フェアトレード、労働環境、社会保障の問題があげられ、経済システムがきちんと回り、全ての人々が持続的に活動できることを指します。
3つ目の”社会的持続性”では、ジェンダー、教育、難民、健康のような我々の生活する社会に関する問題点を指しており、全ての人々が平等で基本的な生活を安全に維持することができることを指しています。
以上3点がサスティナビリティを意識する上で重要となるポイントです。企業はこの3本柱をスローガンや取り組みの中に含めていくことが重要とされています。
2. アメリカで見つけたサステイナブルな商品たち
私の住むNYでは、社会だけでなく生活する一人一人が強く環境面でのサステイナビリティを意識して生活しています。アメリカでは、ゴミは燃やされることなく埋立地に埋められ溜まり続けるため、多くの人は”Compost”という生ゴミ(有機物)を分解し肥料として再利用するサービスを利用したり、リサイクル資源で作られた生活必需品を意識して購入するなど小さなことではあるけれど、身近に環境面でのサステイナビリティを感じることができます。
私が近所のスーパーで発見をしたリサイクル資源で作られている商品をいくつか紹介いたします。
① アルミ缶で作られたシャンプーボトル/マウスウォッシュ
② 100% リサイクル可能なプラスチックで作られた歯間ブラシ
③ 竹製の歯ブラシ
上記はほんの一例に過ぎませんが、NYでは数多くのSustainableやEco商品のみを取り扱う小売店(https://www.purewow.com/home/sustainable-stores-nyc)があり人々がいかに環境や自然に対するサスティナビリティを意識しているかを感じることができます。
3. サスティナビリティはどのようにビジネスと関連するのか?
さて、そんな生活にも組み込まれているサスティナビリティがどのようにして企業、ビジネスへ影響を与えているのかをご紹介します。NASAによると、過去50年の間で人間の活動が地球温暖化を引き起こしている可能性は95%以上と結論を出しています。人間の産業は、土地や資源、化石燃料に依存し、メタンや亜酸化窒素などの人間によって生産された温室効果ガスが、気候変動の問題に大きく関わっています。また、産業革命以降人間はCo2濃度を45%以上も増加させており、地球と共存をするという点でサステイナブルのバランスを大きく崩してしまっています。
ビジネスをより持続可能なものにするには、目の前の問題を認識し、ビジネスと地球の両方のために変化を起こすことがいかに重要かを理解することから始まります。そこでアメリカの多くの企業ではサステイナビリティは企業倫理という一環で重要視されています。日本からアメリカへ進出し、成功している企業では多くがサスティナビリティを企業理念や公約へ組み込んでいます。特に小売店やレストランなど、消費者の感情や意向が最も反映され影響を受けやすいビジネスでは、二酸化炭素排出量削減、包装材の廃棄物0化、動物の苦痛を減らすための持続可能性計画等を発表しています。
また、アメリカ人消費者の80%以上は自身が関心を持つ問題を企業が支持することで、その企業の商品を購入します。また、70%以上のアメリカ人は気候変動に関心を持たない企業からの商品の購入を止めるとまで言われています。現に、大手Eコマース企業ではたびたび労働環境に関する問題やCEOの脱税問題などがニュースで流れてくるたびに、サスティナビリティを強く意識するアメリカの人々は、このような企業の利用を嫌がり他の企業へ流れています。このように企業はサスティナビリティを意識することがアメリカでのビジネスの基盤となり、関心を持たれ成功する大きなポイントとなるでしょう。
4. アメリカ企業が実際に行ったサスティナブルを意識した事例
2020年-2021年のアメリカでは様々なニュースが流れてきました。中でも大きなインパクトを与えた一つは”Black Lives Matter”です。黒人のGeorge Floydさんの死によって、今まで押さえつけられ差別を受けてきた人々が人種差別への抗議活動を行いました。
このBlack Lives Matterの抗議活動が強く唱えられていた時、この抗議に賛同をし売り上げや企業から基金を寄付する企業や著名人が数多くいました。
また、大手コンサルティング企業マッキンゼー&カンパニーではコロナにより増えたAsian Hate Crimeに対し声明を挙げるなど、どの企業も社会的持続の部分でサスティナビリティを意識した取り組みをしております。
“沈黙は加担である”と認識する人が多いアメリカでは、声をあげることが非常に重要視されています。こういった事件も社会的持続という面でサスティナブルに含まれますので参考になります。
今回のトピックでは、サスティナビリティの大枠や個人的に目にした内容、企業が取り組んでいる一例を挙げました。今後もサスティナビリティは日本企業がアメリカへ進出する際に、必ず意識すべきポイントであるため、細かな部分へフォーカスをしたトピックを投稿していきたいと思います。
引用:
McKinsey&Company
https://www.mckinsey.com/about-us/overview/our-asian-voices
App Armor
https://blog.apparmor.com/post/apparmor-support-for-black-lives-matter-protests
Coca-cola
Nasa